DOMANI明日2020 埋もれた想いを呼び起こす

DOMANI明日2020 傷ついた風景の向こうに@国立新美術館 / 20世紀以降私たちが経験した天災や人為的災いにより生じた「傷痕」について時間を経て生まれた表現がテーマ。傷ついても生き残り、再生する風景ー「明日」を見据える企画展示。11人のグループ展。

日常生活でつい忘れてしまっている、または自分とは関係が浅い、そして頭の片隅から埋もれたものを呼び起こし再認識できる企画だった。75年前に投下された広島/長崎の原子爆弾。そしてつい9年前の福島原子力発電所の事故。核にさらされながら生きている。今笑顔であふれるその土地の時間軸には苦しみ亡くなった方、今でもその苦しみを抱えている方もいることを想う。今も福島に延々と積まれた除染された土。その横を電車が走り抜ける。東北の様々な木々、半分枯れた木、今も倒れたままの木。復興はまだまだまだ進んでいないことを知る。

小さい生き物、昆虫。昆虫は好きではないが、作品を見ているとほほえましい気持ちになる。バッタが葉を器用にモグモグ食べている。あんな風に葉を食べるなんて知らなかった。ハチが器用に蜜をすう。とてもおいしそうに、美しく。インスタレーションを見ていると昆虫にも昆虫の命があり暮らしがあり、環境があり、様々な考えが頭をめぐる。その一つに今まさに起きているオーストラリアの大規模森林火災。大規模な森林火災は、既に哺乳類、鳥類、爬虫類など10億以上の生命が失われたと推定されている。生き残った動物たちの食物連鎖も崩れるだろう。絶滅が危惧される種もいるだろう。小さい生き物たちが人間のわがままで地球上からいなくなっていると感じた。おいしそうに草を食べているバッタも。日常、置き去りにしている想いを呼び起こされる。

最後に作品「風景に生きる小さきもの」より、

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