魂がふるえる、本当にふるえた

塩田千春展 魂がふるえる@森美術館

副題の通り、まさに魂がふるえる。何かがどんどん私の中に入ってくる。多分この作品群を20年から30年前に見ていたら、私は即刻この作品の持つ感情に取り込まれただろう。何だろう。生きる事とか、自分の存在、不安、夢、恐怖様々な事に。しかし、今は少し冷静にみることができる。

作品の言葉より、

「心と身体がバラバラになっていく、どうにもならない感情を止められなくて、自分の身体をバラバラに並べて、心の中で会話をする。赤い糸と身体を繋いで、やっぱりこういうことだったのか・・・・と、何かが分かる。この感情を表現すること、形にすることは、いつもこういうふうに同時に魂が壊れることなんだ」

ずっと作品を見てきてこの文章を見たとき、ふと学生の頃読んだ太宰治「人間失格」を思い出した。あの本を10代の頃読んで湧きあがった感情と近しい感覚が私の中におきた。本当のことをさらけ出せない男の人生の苦しみ、もがく様と、文章とインスタレーション、パフォーマンスは違えど作品を生み出すエネルギーそういったものが、もしかしたら私の中で近しいと感じたのかもしれない。

燃えてしまったピアノのインスタレーションには、変な包まれ感を感じた。

人間として普遍的なもの。それは何か?色々語り掛けてくる見ごたえある展覧会。本当に魂がふるえた。