認知症とアートの関わり

ART&MEMORY AND AGING アートを通した”認知症フレンドリー社会”の構築。ということで国立新美術館で開催の国際シンポジウムに参加。認知症とアート。どのような話か気になったので参加。

アメリカ、イギリス、オーストラリア、日本などの国々の研究者そして認知症当事者が登壇されアートと認知症についての研究や取り組み、実践、課題などの話を伺うことができた。まずアート×認知症がよいということが国際的現象として起きている。すべてを脳科学や数値で解析するのでなく、例えば薬の効果は一部でしかないがアートに触れることで多様な刺激を受け感情が活性化され表情も明るく言葉が出る、そして繊細な感覚の持ち主である認知症患者は際立つモノの味方もできる。そしてインタージェネレーションスクール(世代間学校。世代を隔てない混ざり合った人々が一緒に通う学校。学ぶ共同体、平等な共同体である)を通して生涯学び続けていくことの重要性を感じた。医療と美術のパートナーシップにより認知症の症状を止めることはできないがよりポジティブな状態がつくられることも分かった。思ったより自分でできることがあったり、認知症と共に生き自信をもって生活していく姿勢がそこには存在した。

アーツアライブ代表の林容子氏は認知症施設での自身の約20年近くにわたる実践・研究の話を聞き、改めて施設の在り方を考えることとなった。私たちはともすれば認知症だからわからないと決めつけていたりする。しかしそれは患者の人権を否定する行為だと気づかされた。記憶する能力は落ちるかもしれませんが、脳ではまだ細胞が創られており脳を刺激すればどんどん発達していく。時には認知症の方のみ見えるものがあったりする。そしてアートは記憶する必要が無いのである。感じることこそが大切なのだ。社会との交流を絶ってはいけないのだ。認知症の方にも、介護する方、家族すべての方に生きがいは必要だ。それをもたらす力を大きく秘めているのがアートであると。

今回、認知症カフェという存在を知った。紹介されたカフェでは若年性認知症の方やその家族にとって有意義となると思われる活動を紹介したり、プログラムを実施したりする場所。若年性認知症の当事者と家族が伴に楽しめ、話ができ、気兼ねなく集える場所であり、自宅や介護サービスとは異なるご本人・ご家族の居場所。どうしても、自分に自信も持てす引きこもりがちになる人を社会に触れ、ネットワークを作り、認知症についての考えをオープンにする。とてもよい活動だと感じた。

最後に日本の認知症当事者の数をまず知っていますか。現在500万人。軽度の症状の方が推定400万人。そして2025年には予備軍を入れると1200万人。80歳以上は4人に1人。85歳以上は2人に1人の割合となる。改めて見るとすごい数字である。日本は超認知症社会になる、なっているといっても過言ではない。これはぼーっとしている場合でないと感じた。国は医療介護財政が厳しくなるだろうし、人材不足で行き詰る。そして現在でも60%が同居家族が介護という実態。これはもう地域包括ケアモデルを国が提唱するのももっともだ。しかし現状をみてみても本当にそんなことが可能かどうかわからない。これからの社会を真剣に考えねばならぬ時期であることを感じた。

認知症にもオープンダイアローグ。そこにアートが介在することでより良い効果がうまれるだろう。